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【所長の視点】
その140: ガバナンス(統制)と自由と自在と

データマネジメントを考える上でDMBoK2などでは「データガバナンス(データ統制)」という要素が重要視されており、統制的組織活動を通じて取り扱うデータへの信頼性、品質を向上させるという目的への一つの手段として扱われています。その構成要素として、組織立てとプロセス管理に重点が置かれているのがDMBoK解説の要点だと理解されます。そしてこの内容を規定するのが統制的管理のためのルール作りであるという関係です。更にデータ品質管理における共通概念として、データフローにおける下流でのデータエラー検知に重点を置くよりも、上流に当たる(データの)入り口で入力を可能な限り正しくし、また加工の設計・製造・変換過程を整理・確立した上で、最後の出口付近として検証・確認の意味付けで正当性を試験するという流れが重要であると広く認識されています。
ところがこのルール作りの難しさというのは、上流から流れるデータの多様性(意味・定義・経路・タイミング・量など)があるために、ある一時点で確定したと想定された内容が次の時点には変化して姿を変えることが少なくない点に重きがあると考えられます。そしてこの課題解決に対応するアプローチとして、メタデータとそれを保持するデータカタログを整備し、それをベースにする処理過程(データリネージとも呼ぶ)を極力自動化するというのが近年の流れになってきていると理解されます(例えば、米EDMCのCDMCアプローチなど)。いってみれば、これは機械的な手段を通じて人間が介入する自由度を大きく削減する方向性を狙ったアプローチ/方向性だと捉えることができるでしょう。
この自由度削減という流れに対し、「自在性」を拡大するという方向性があるのではないかというのが今回の一つの視点です。その内容検討の前に一つ用語について確認しておきます。それは「自由」と「自在」という似た意味にも捉えられる言葉の微妙な立ち位置の違いについてです。「自由」というのは、機械的合理化を基礎付けるための管理「統制」とは対立する概念で用いられることがしばしばです。ある意味、行動的自由を制約する延長線の行き着く先に統制概念が存在する西洋的方向性が強調されていると見れば分かり易いでしょう。これに対し、ここでの「自在」には一種東洋的な幅をもった響きが含まれ、ある種の束縛の中にあっても思いのままにモノ・コトを扱う様を表していると捉えると、その両者の意味合いの違いを認識することが可能であるという訳です。
それでは、この統制と共存する自在アプローチがどのようなものでありえるかと言えば、それは統制に平行した人間意志の存在が見いだせるか否かに関わってくるものと筆者には考えられます。正直なところ、昨今大規模データに基づく機械的技術の導入を用いた合理化の方向がやたらと「AIの活用」という名の下にコマーシャルとして喧伝され過ぎているのではないかという疑問が筆者にはあります。そこでは、機械的・数値的・媒介変数的に導き出され、表出された現象理解をやたらとビジネスに絡め利用しようとする無定見さが前面に押し出されているように感じられるということです。これに対して、利用者・利用環境を踏まえた東洋的な許容性を含んだ規則作り、運用方針があり得るという考え方に着目したいということです。謂わば「自ずから整う」自律方式を積極的に取り入れる方向からデータ品質の向上を目差したいということになります。
こういった考えに基づき、今後の東洋的統制(ガバナンス)構築のあり方について考察を深めて行きたいと筆者は考えているところです。技術を利用できるところは積極的に取り入れつつも、人間の介入を意義を高めるという方向でプロセス化を進められることが、一つの理想的な協働データマネジメント指向を作るきっかけになると期待しています。

次回のテーマ予定:
「データを活用したモノ・コトの可視化」が意味すること
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新着情報(本年分)
- 2023年11月28日
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- 2023年5月24日
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- 2023年3月10日
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- 2023年3月7日
- 游悠レポート2023-01SP、製造業概念モデル(期間限定版)を登録しました。
- 2023年2月12日
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- 2023年1月6日
- 年始めの所長メッセージ、更新しました(その130)。
- 2023年1月1日
- 【新年のご挨拶】謹賀新年。2021年に続き激動のイベント続きとなった2022年を越え、新たな2023年を迎えるに当たり、一言のご挨拶を申し上げます。本年は、更に社会変革が予想される年です。この年を新たな気持ちで迎え邁進する所存です。関係者の皆様、本年も機会の折、何とぞ宜しくお願い致します。