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  • その150 : グラフ・データベース利用を考察する(4)

    2025年最初の明るい話題として、京都橘高校グリーンバンドの1月1日午後カリフォルニア/パサデナでのローズパレード演奏行進の話題が入ってきました。2018年以来の参加ですが、いつ見ても素晴らしい演奏更新風景です。こちらを参照下さい(直角に折れる行進路での隊列変更の様子入り)。

    さて本題です。2回ほど間に異なる話題を挟みましたが、今回は先のグラフ・データベース関連内容を続けます。(社)日本データマネジメント協会(Damaジャパン)第15分科会の月次定例会が1月22日(水)に予定されています。この回では、これまで話題にしていたオントロジーの具体的題材に、ネット経由で入手可能なワイン・オントロジーを利用し、これに別途手に入れることのできるワイン評価データを組み合わせた形でのモデル化を取り上げています。その検討過程をこれまで4回に渡り説明してきましたが、22日はそのまとめとしての最終回となります。興味ある方は是非参加下さいDamaジャパン会員であれば、分科会リーダに事前申込みをすれば誰でも参加できます(詳細はDamaジャパンWebの分科会活動ページを参照)。

    この回では、第一に、構築したオントロジーモデルとそれに基づくグラフ・データベースの実装、第二にOWL/RDF記述形式でのオントロジーに基づくグラフ・データベース実装の幾つかの要点を図解入りで説明します。第三として、構築したグラフ・データベースに対してのSPARQL言語による幾つかの検索と結果の事例を紹介します。更に第四番目に、グラフ表現による視覚化図を加えて説明します。第五番目に、これまでの実装活動を通じて得ることができた知見に基づく構築プロセスの要点と、最後に第六番目として、構築環境説明とオントロジー構築の目的と実施上の注意点について簡単に説明をする予定です。この回の説明資料は、これまでの通り、游悠レポートページ上でダウンロード可能な資料として掲載する予定です。

    デジタル庁のWebページでも、ここ数年で様々な行政組織等で、オープンデータの形でのデータを開示されている状況を検索可能となっています。他にも、検索ページ開設もあります。こういった形でのデータはExcelの表形式やリンクトデータという形で入手できることが多くなっています。但しこれらのデータをグラフ・データベースの中に取り込んで意味のある形で論理的に検索可能な状態にするためには、全体のデータ構造や構成、整合性を持った意味付けの情報を準備することが大切です。そのためには、これまで紹介してきたオントロジーモデルを背景に踏まえたハイレベルのメタデータを準備し、その内容にアクセスすることができる環境を用意しておく必要があります。

  • 昨今LLMやRAGのようなAI技術と組み合わせて半自動的に意味付けを行うことも試みられてきていますが、高い信頼性を持ったハイレベルのメタデータとして利用できると本格的な保証をするには、現時点ではまだ力不足ではないかというのが筆者の意見です。

    ワイン・オントロジーを題材とした試みは今回迄として、筆者は、次の研究素材を検討中です。その話題が決まりましたら、引き続きこの欄でも紹介予定です。ご期待下さい。

    (備考)  グラフ技術に関連する話題は、これまでの游悠レポート資料の中で扱っているため、興味ある方は参照下さい。
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