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【所長の視点】
その138: 数学の論理性とデータモデルの果たすべき役割を考える

今回もデータモデル談義が続きます。先日、経済学と数学の関連について講義形式で説明している本(注※)を見直した際に、次のような考えが浮かんできたためそのアイデアを紹介する回となります。この書籍自体は、数学の核を成すものは「その絶対的な論理性」であり、これを基盤にした考え方が今日の経済学に取り入れられていることを歴史的・文化的話題を交えながら解説したものでした。本稿の執筆者が考えていたのは経済との関連ではなく、「数学のもつ論理性」がどういうことであり、これとデータモデルを作ることがどういった関係にあるのかという点です。「データモデルが現実世界を仮想世界に表現するための一つの核となる要素である」という基本的見方からすれば、それを考えることもあながち無駄ではないだろうという視点です。
この本の著者は、(掻い摘まんで見れば)「数学者の前提とする公理というものは、数学の歴史からして一つの仮定であることが分かってきたが、その仮定を運用する論理は『数学的絶対性をもつ論理の進め方である』」、と筆者は理解しました。それはユークリッド幾何学から非ユークリッド幾何学が生まれた流れと見られます。筆者の考察点は「それでは、その絶対性は何を基盤としたものなのうだろうかという所」にあります。簡単な例で議論すると、果たして「1+1=2」という表現は、本当に絶対的なものから来ているのだろうか?よくよく見てみると、この単純な恒等式にさえも、幾つかの仮定(或いは「定義」という方が解りやすいか)が含まれていることが見てとれます。まず「+」とはどういう約束か?次に「=」とは何を表すか??「(左右の辺が)等しい」というのはどういう意味か???そもそも「1」とは何を示しているか???? 数学が科学の端緒として受け入れられ始めた中世ヨーロッパでは、乗算が多くの人々に受け入れられるのに時間を要したとも伝えられています(別途、森毅氏著書より)。先の式を恒等式として捉えると、果たして実用的世界において「リンゴ1個」と「ミカン1個」を足すことにどんな意味が含まれているのだろうか?
つまりこのような概念変化が受け入れられるためには、「1+1=2」という式は、実は恒等式ではなく、変数を含む方程式と理解するのが正しいという「意識の変化」が生まれるといえるのではないか。そうすると「1」には随分と多くの意味の存在が隠されていると見えます。或いは、多くの意味・性質を絶対的に削ぎ落として「完全な抽象化」を行った状態と見ることもできます。その完全な抽象化が仮定された上での式への解釈を「数学的論理で繋いでいる」という方が分かりやすいのかもしれません。数学的論理の基盤の第1歩である「同一律(the
law of identity)」は、完全な定義の存在そのものを前提としているということになりますが、「その完全な定義は完全な抽象化の存在を元にしている」というのが分かりやすいかもしれません。ある意味神の領域といえるものでしょうか。
このように見てゆくと、曖昧ともいえる現実世界を、更に論理で動かそうとする仮想世界である計算機上の世界は、その完全性に一歩でも近づくためのモデル化が必須であるということが理解されるのではないでしょうか。ここではデータのモデル化によるモノ・コト表現に加えて、それらをどう取り扱うのかというプロセス表現が必要となるため、複雑化は一段と高まります。更に関係者が増えるほどその表現量は幾何級数的なものにならざるを得ない。これを確実にするための手段として、単なる文章だけでなく視覚的表現とその共有推進の果たす役割は少なくないといえます。
正確度・安全度を高めるために、正確なモデル化とその共有の重要性が理解され、広まることの一助となれば、本稿の目的が果たされると考えてこんかいは終了とします。
(注※) 「数学嫌いな人のための数学」 小室直樹著、2001年12月(第5刷)、東洋経済新報社

次回のテーマ予定:
「データを活用したモノ・コトの可視化」が意味すること
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