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”インフオラボ游悠"のホームページへようこそ!   (「インフオラボ游悠」およびロゴマークは、本サイト作成者による登録商標です)

インフオラボ游悠(ゆうゆう)は、ビジネス目標達成を目指す「ご縁のある」企業様や各種団体様への、「ビジネス戦略実行とデータ利活用の視点」で、ご提案・ご支援実施を目的に活動しています。
このサイトでは、当研究所の活動全般に関するご案内や、メッセージ発信をしてゆきます。(プロフィールは、こちら

また、必要に応じた文化活動などにも関わって行きたいと考えており、そういった関連情報も提供する予定です。

(貴サイトからのリンクを希望する場合、当ページをリンク下さい。またリンク時実施時はお問い合わせ経由でお知らせ下さい)

以下の「游悠レポート」お役立ちサイトも併せて参照下さい。面白い話題が見つかるでしょう。

データマネジメント、データウェアハウスとBI、データサイエンス領域でのご興味のある方は、「お問い合わせページ」から所長宛
ご連絡下さい。尚、これまでの標準的なサービスの提供は一旦休止させて頂いております(2023年5月31日より)。

  (2025年1月24日更新済)資料類は、上の「游悠レポートサイト」ボタンをクリックしてダウンロードページへ進んで下さい。

【所長の視点】

その151: グラフ・データベース利用を考察する(5)

前回本欄で紹介した、1月22日のDama-Japanでの第15分科会での勉強会説明資料を、早速「游悠レポート2025-01として掲載しました。気になる方はこのページからリンクしている游悠レポートサイトも訪れて下さい。資料題目は「Wine Ontology活用の探求(5)」となっています。これまで先の分科会では5回に渡って、ワイン評価を含むオントロジーの作成、評価データのモデル表現、グラフデータベースへのデータ取込とデータ検索実践という内容を実施し、参加者とのディスカッションを交わしました。ここではその議論を通じて、筆者が改めて認識・整理した内容の幾つかを概略説明しようと考えます。

まず、オントロジーのような概念を整理するモデルを作ることの必要性についてです。グラフまたはネットワークデータが着目されているのは、インターネット社会が広まるにつれて、LOD(リンクト・オープンデータ)のような企業や公共機関の持つデータが開示され、それを視覚的に表現・管理し易い方法の一つとして現れた工夫/技術と関係があります。データ利用を人間が話す言葉の延長として表現し、かつコンピュータ社会での通信上、および機械システムとのやり取り性向上の分野として着目し、発展した流れがあるということです。ここではモノやヒトといった個物(専門的には「インスタンス」と呼ぶ)存在物の集合を表現し、またそれらの動きや関係性を記述したいという動機があります。そしてこれをすることがビジネス上メリットを生むことも認識されてきたという背景です。この中で、歴史的には哲学分野で考察されてきたオントロジー分野が情報学と結びついたと考えると、分かり易いかと思われます。

インターネット世界が本格的に認識される以前から、コンピュータを利用する分野では、その中で扱うデータの有用性が認識され、それを管理するデータベース技術が発展していました。その過程でデータモデリングという表現技術も進んでいました。ここでは余りオントロジーという言葉とは直接結び着けて広く理解説明されてはいませんでしたが、ここでのデータモデリングの考え方と、オントロジーという概念整理手段が似ていると認識され出しているというのが現在の状況であると見えます。但し、グラフデータを扱う分野は「個物とそれらの関係」を集合的に集め、表現するという方向から入ってきていました。一方でデータベース設計という考え方を先行して開発し育ててきたデータモデリング分野では、エンティティ(存在物)とそれらの関係(リレーション)で表現するという、取扱いの発生視点レベルの違いがあったという点に注意しておきたいと筆者は考えます。

つまり、グラフデータでのオントロジーとインスタンス表現を統合したモデル表現技術の発展が、まだ(リレーショナル)データベースで必要と考えられているデータモデリング技術と連携不足なままでいるという状態が生まれている要因だということです。但し、一部ではオントロジー表現をUMLのモデル図で表現すると説明している研究者もあります。筆者は、百パーセント互換ではありませんが、ER図ツールを用いてオントロジーを表現するという試みを続けています。その意味で、グラフデータベース(インスタンス・データモデル)とリレーショナルモデル(エンティティ・データモデル)との技術的関係性でのモデル化統合が可能ということです。筆者は、グラフデータでの「プロパティ」による関係表現と、リレーショナルモデルでのリレーションシップ表現とは少々違いが生まれそうだという点には注意しておきたいと考えており、それが先に「百パーセント互換でない」と記述した理由です。

また二つ目の話題としては、リレーショナル・データベースのようなデータ管理技術があるのに、何故あえてグラフ・データベース技術に着目する必要性があるのかという議論についてです。現時点の筆者の考えでは、これは先に述べたグラフデータ表現はインスタンス・データモデル表現指向で、一方のリレーショナルモデルはエンティティ・データモデル表現指向だという視点と関係します。簡単に言えば、技術の実現と利用についての「目の付け方と利用方法」違いが生まれるということです。それぞれの特徴を生かして利用するという混合活用という意味ですが、これについては紙面の都合上、次回に議論を回したいと考えます。

(備考)  グラフ技術に関連する話題は、これまでの游悠レポート資料の中で扱っているため、興味ある方は参照下さい。

次回のテーマ予定:

「データを活用したモノ・コトの可視化」が意味すること

これまでのメッセージ --> こちら


新着情報(本年分)

2025年1月25日
所長メッセージ、更新しました(その151)。 (New)
2025年1月24日
ワイン・オントロジー探求シリーズの最終回として游悠レポート202501-Report登録しました。(New)
2025年1月2日
所長メッセージ、更新しました(その150)。
2025年1月1日
【新年のご挨拶】謹賀新年、2025。さていよいよ、さまざまな視点、領域、人々から激動の年と議論する話題の多く想定される2024年の幕が開けました。乙巳の時代は新たな価値観を迎えつつも「再生と変化」が生まれ「着実な努力を通じ物事の安定に向けた行動が要求される時とも伝えられています。世界情勢、国内の社会、政治状況など予測を付け難い時代に加速がつく厳しい時を迎えようとしているようにも観ぜられます。近い時期に思わぬ出来事があろうとも、私たちは「トキトコロ」を見極めて対応してゆきたいものです
所長の立場としては、昨年に引き続き「ローカル&ユニバーサル視点に立つ」という思いを一層心に留め、邁進する年を迎えたいと考えています。今年のテーマは「意識の源泉をどう捉え、世界と向き合うか?」です。これまで、またこれからにおいてもご縁のある関係の皆様方と次の一年を過ごしてゆくことに致します。引き続き宜しくお願い致します。